住まいの断熱性や防犯性を高めたいとお考えの方には「内窓」のリフォームがおすすめです。内窓とは、既存の窓の内側に取り付ける窓のことです。

しかし「内窓には具体的にどのような効果があるの？」「内窓リフォームの費用はどれくらい？」といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、内窓のリフォームについて詳しく解説します。内窓に期待できる効果や内窓の種類、リフォームにかかる費用相場などを紹介します。内窓リフォームで活用できる補助金についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

内窓を設置することで、内窓と外窓の間に空気の層ができます。この空気の層が外気の熱を遮断するため、住まいの断熱性の向上が期待できます。また、内窓の設置により、窓の気密性も高まるため、熱が漏れにくくなります。

住まいの断熱性が高まると冷暖房効率も高まるため、光熱費削減効果も期待できるでしょう。また、冬場の外気の冷たさが直接室内に伝わらないので、窓に発生する結露も防げます。

内窓を設置することで、空き巣の侵入口となる窓の防犯性が高まります。
空き巣はガラス破りや窓のこじ開けによって侵入してきます。しかし、内窓を設置して窓を二重にすると侵入の手間や時間が増えるため、空き巣に狙われにくくなるのです。

また、仮に狙われたとしても、内窓があると侵入に時間がかかるため、途中であきらめる可能性も高くなります。

内窓を設置することで気密性が高まり、さらに外窓の間に空気の層ができるため、熱と同じく音も伝わりにくくなります。住まいの防音性が高まり、外の騒音を遮断する効果が期待できます。

内窓に使用されるガラスには、以下のような種類があります。

 

ガラスの種類	特徴
遮熱高断熱複層ガラス	・2枚のガラスを組み合わせた複層タイプ ・室内側のガラスに遮熱・断熱効果のある特殊な金属膜をコーティング ・日射熱をカットし、床やカーペットなど室内の日焼けを防ぐ
高断熱複層ガラス	・2枚のガラスを組み合わせた複層タイプ ・室内側のガラスに断熱効果のある特殊な金属膜をコーテイング ・太陽光を取り込むことで、室内の明るさや暖かさを適度に保つ
複層（ペア）ガラス	・2枚のガラスを組み合わせた複層タイプ ・中空層には空気やガスが充填されている、または真空 ・通常の単板ガラスよりも断熱性が高い
単板ガラス	・一般的な1枚タイプのガラス ・4種の中ではもっとも断熱性が低いが価格は安い

内窓のガラスは、それぞれに特徴があるため、設置する場所や目的、予算に合わせて適切なタイプを選びましょう。

内窓のリフォーム費用には、内窓の本体費用と設置費用が含まれます。そのため、内窓のサイズやガラスの種類によっても費用は変動しますが、一般的な費用相場は以下のとおりです。

 

窓のサイズ	費用相場
小窓（60～100cm × 100～150cm）	3万円～6万円前後
腰窓（100～140cm × 150cm）	4万円～8万円前後
掃き出し窓（190～240cm × 200cm）	10万円～14万円前後

内窓の設置は、所定の条件を満たせば補助金制度を利用できる場合もあります。ここでは、内窓リフォームで利用可能な補助金制度について紹介します。

子育てエコホーム支援事業とは、子育て世帯や若者夫婦得世帯を対象に、高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住まいの省エネリフォームに対して補助金を支給する国の取り組みです。

省エネリフォームでは、所定の条件を満たした場合に、子育て世帯・若者夫婦世帯は上限30万円/戸、そのほかの世帯は上限20万円/戸までの補助金が支給されます。対象となる省エネリフォームには「内窓の設置」も含まれています。

参考：子育てエコホーム支援事業

先進的窓リノベ2024事業は、断熱窓への改修に対して補助金を支給する国の事業です。その背景には、既存住宅の省エネ化の促進により、エネルギー費用負担の軽減やCO2排出削減への後編などがあります。

内窓設置に対しては、所定の条件を満たした場合に、窓の大きさや性能に応じて23,000円〜112,000円の補助金が支給されます。

参考：先進的窓リノベ2024事業

既存住宅における断熱リフォーム支援事業は、住まいの断熱リフォームに対して補助金を支給する国の事業です。

内窓設置に対しては、所定の条件を満たした場合に、戸建住宅では上限120万円/戸、集合住宅では上限15万円/戸の補助金が支給されます。

参考：既存住宅における断熱リフォーム支援事業

マンションでも、内窓を設置するリフォームは可能です。

一般的に、マンションのリフォームは「専有部分」しかリフォームできません。専有部分とは、室内の壁紙や床材、水回り設備、仕切り壁など、いわゆる「居住空間」に該当する部分で、住人（区分所有者）が個人で所有する箇所になります。

窓は居住空間にあるように見えますが、分類的には「共用部分」というマンションの区分所有者が全体で所有する箇所になります。そのため、個人の判断で勝手に窓を交換したり拡張したりすることはできません。

ただし、内窓は共用部分である既存の窓に影響を与えず設置できます。そのため、個人がリフォームで新たに取り付けることができるのです。

しかし、賃貸マンションの場合は「原状回復義務」があるため、個人で内窓を設置しても、退去の際に元の状態に戻す必要があります。そのため、事前に必ず管理会社や大家さんに相談しましょう。

ここからは、遠鉄のリフォームが手がけた内窓設置のリフォーム事例を紹介します。

施工内容	内窓設置（2か所）
工事期間	約1日
使用商材	プラマードU
築年数	不明
工事費用	約30万円

マンションにお住まいのA様は、冬場の結露や冷えを気にされておりました。今回は、和室とリビングの2か所に内窓を設置。リビングの窓には、目隠しにもなる型ガラスを、サッシ枠は木目クリア採用し、明るい雰囲気になりました。

施工事例の詳細はこちら

施工内容	・浴室改修工事
工事期間	約3日
使用商材	・TOTO シンラ ＨＫ Ｃタイプ 1616 ・YKK内窓 プラマードＵ
築年数	約25年
工事費用	約167万円

※本事例は、浴室全体の改修工事の事例であり、費用は内窓設置を含めたトータルの費用になっています。

老朽化していた浴室の改修に伴い、断熱性を高めるご相談をいただき、ユニットバス交換と内窓の設置を行いました。完成後のユニットバスは明るくて広々、寒さ対策も万全です。

施工事例の詳細はこちら

今回は、安心、安全、快適な住まいを守る「内窓」のリフォームについて解説しました。内窓を設置することで、断熱性や防犯性、防音性の向上が期待できます。また、内窓の設置は、マンションでも実施できる断熱リフォームの1つです。

内窓のガラスには、複数の種類があり、それぞれに特徴があります。リフォームの目的や予算に合わせて適切な内窓を選ぶためにも、まずは信頼できるリフォーム会社に相談してみることから始めましょう。

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