年月とともに使い勝手が悪くなった和室をリフォームしたいと考えている人は多いでしょう。和室のリフォームには「洋室へのリフォーム」と「和室のリフレッシュリフォーム」の2種類があります。

この記事では、和室のリフォームにかかる費用相場や洋室にリフォームする際の注意点などを詳しく解説しています。和室のリフレッシュリフォームの事例や洋室へのリフォーム事例なども紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

和室のリフォームには「和室から洋室へのリフォーム」と「和室のリフレッシュリフォーム」の2種類があります。それぞれの工事内容ごとに、費用相場をまとめました。

和室を洋室にリフォームする際は、主に次の4つの工事を行います。

・畳からフローリングへの変更
・押入れからクローゼットへの変更
・壁・天井のクロス張り替え
・洋室用の建具・ドアへの変更

簡易的な洋室として利用する場合は、畳からフローリングへの変更だけでも十分な場合があります。ただし、子供部屋や書斎など、洋室として日常的に利用するなら、全体的なリフォームを行うのがおすすめです。

畳からフローリングへの変更

工事内容	費用相場
畳からフローリングへの変更	20万～30万円
畳からクッションフロアへの変更	8万～20万円

※6～8畳の和室の費用目安です。

和室の畳をフローリングに変更する際は、最初に既存の畳を撤去して下地材の設置を行います。フローリング材は畳に比べて厚みが1/4前後になるため、そのままフローリングを張ってしまうと、隣接する部屋や廊下と段差が生じてしまうため、下地材の設置が必要になるのです。

また、床の下地に組まれている「根太」という横木の間隔を調整する作業も必要です。また、採用するフローリング材の種類によって価格は大きく変わります。

費用を抑えながら、和室の床を洋室仕様に変更したい場合は、フローリングではなくクッションフロアを使用するという方法もあります。

押入れからクローゼットへの変更

工事内容	費用相場
簡易的なクローゼットへの変更 ・中段の取り外し ・ハンガーパイプの設置	5万～10万円
クローゼットへの変更 ・押入れの解体 ・ハンガーパイプ ・棚板の設置 ・押し入れ内の壁や床の補強 ・扉材の取り付け	15万～20万円

押入れをクローゼットに変更する際は、押入れの中断を取り外してハンガーパイプを取り付けただけの簡易的な工事と、押入れを解体して作り替える全体的な工事があります。

簡易的なクローゼットでも洋服を収納できますが、より使い勝手がよく洋室になじむクローゼットを作りたい場合は、押入れの解体を含む全体的な工事を行いましょう。

壁・天井のクロス張り替え

工事内容	費用相場
壁・天井のクロス張り替え	5万～20万円

※6～8畳の和室の費用目安です。

和室の壁や天井には、和室用のクロス（壁紙）が採用されていたり「砂壁」と呼ばれるザラザラとした手触りの日本壁が採用されていたりします。

これらを洋室仕様のクロスに張り替えると、6畳～8畳前後の和室であれば、15万～35万円ほどの費用がかかります。張り替え費用は、使用するクロスの種類やグレードによって異なります。

洋室用の建具・ドアへの変更

工事内容	費用相場
引き戸への変更（既存の枠を使用）	5万～10万円
引き戸・開き戸への変更（枠も交換）	12万～15万円

和室の出入り口は、一般的にはふすまが採用されていますが、洋室リフォームに伴いドアに変更すると、より使い勝手や見た目がよくなるでしょう。

ふすまの枠をそのまま使用し、洋風の引き戸を設置すれば、費用を抑えながらリフォームできます。また、新たにドアの枠を取り付けて、洋室用引き戸や開き戸を設置するといった方法もあります。

和室の劣化や不具合を修繕して、見た目や使い勝手を一新したい場合は、和室のリフレッシュリフォームがおすすめです。

和室のリフレッシュリフォームでは、主に次の工事を行います。

・畳交換
・砂壁リフォーム

畳交換

工事内容	費用相場
畳の裏返し	2.5万～3.5万円
畳の表替え	3万～16万円
畳の全交換	6万～28万円

※6～8畳の和室の費用目安です。

和室の畳は2〜5年を目安に、まずは「裏返し」を行います。畳の裏返しとは、既存の畳をはがして表裏を反対にして戻す作業です。裏返しを行う際は、畳を固定している糸を外して、畳縁の交換も行うため、リフォーム会社に依頼するのがおすすめです。

一度裏返しをした畳や、5年以上が経過している畳は「表替え」を行います。畳の表替えとは、畳の芯となる畳み床はそのまま利用し、畳表と畳縁を交換する作業です。10〜15年ほど経過した畳は、完全に新しくする「全交換」がおすすめです。

畳交換の費用は、作業の内容に加えて、新しく使用する畳の種類によっても変わります。

砂壁リフォーム

工事内容	費用相場
砂壁の塗りなおし	8万～14万円
珪藻土や漆喰で上塗り	12万～25万円
砂壁からクロスへの張り替え	15万～35万円

※6～8畳の和室の費用目安です。

和室特有の壁素材である「砂壁」をリフォームする際は、既存の砂壁をはがして土台を修復し、上から再度塗りなおす方法があります。

また、珪藻土や漆喰で上塗りする方法も、和室の雰囲気を活かしたリフォームとして人気です。

砂壁は調湿性に優れていますが、砂が落ちやすくメンテナンスの手間がかかります。そのため、和室のリフレッシュリフォームでも、塗り直しではなくクロスへの張り替えを希望するケースも少なくありません。

近年は「和室を用意したものの、使用頻度が低い」「子供部屋として活用したいので洋室にしたい」といった要望も多く、和室から洋室へのリフォームが増えています。

しかし、和室を洋室にリフォームする際は、事前に次の3つの注意点について理解しておくことが大切です。

・マンションの場合は床の「遮音等級」に注意
・真壁の和室は大壁への変更も検討
・押入れとクローゼットの奥行きの違いに注意

ひとつずつ、詳しく見ていきましょう。

一般的に、畳はフローリングやクッションフロアよりも遮音性が高くなります。そのため、畳からフローリングやクッションフロアに変更した場合、リフォーム前よりも階下への音が響きやすくなる可能性があります。

特にマンションでは、階下への騒音被害を防ぐために、管理規約によって床材の遮音等級が定められているのが一般的です。この遮音等級に適合しない床材にしてしまうと、再リフォームをしなければならないケースもあります。

マンションで和室から洋室への変更を検討する際は、必ず事前に管理規約を確認し、規約に適合する床材を選択しましょう。

真壁とは、日本家屋の伝統的な建築工法のひとつで、柱や梁が露出するように仕上げた内壁のことです。砂壁や土壁、漆喰壁などと一緒に採用することで、高い調湿効果が得られるのが特徴です。

ただし、真壁の和室を洋室にリフォームする際は、梁や柱が壁の内側に隠れる「大壁」に変更するのが一般的です。真壁を大壁にするためには、クロスの下に耐火ボードを貼って壁の厚みを調整するといった作業を行います。

マンションの和室は、もともと大壁で作られているのが一般的です。しかし、戸建ての和室では、真壁を採用している場合もあります。

真壁の和室を洋室にリフォームする際は、壁の厚みの調整作業が入るため、大壁の和室のリフォームよりも費用が高くなりやすい点に注意しましょう。

押入れは、布団を収納する目的で設計されているため、洋服を収納するクローゼットとはサイズが異なります。特に注意したいのが、奥行きの違いです。

 

押入れの奥行き	80～85cm
クローゼットの奥行き	45～60cm

このように、押入れは一般的なクローゼットよりも奥行きが深く作られています。そのため、ハンガーポールの取付位置によっては洋服が取り出しにくくなったり、収納として活用しにくくデッドスペースができてしまったりします。

リフォームで押入れを使い勝手のいいクローゼットに変更したい場合は、押入れを解体してクローゼットの奥行きに合わせたり、深い奥行きを活用した設計を検討したりする必要があります。

ここからは、遠鉄のリフォームが手がけた和室リフォームの事例を紹介します。

おしゃれでモダンな印象にリフレッシュした和室や、テレワーク用の洋室として生まれ変わった事例などを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

施工内容	・畳交換工事 ・襖、障子張替工事
工事期間	5日（お預かりから再設置まで）
使用商材	・イ草畳1等級（6帖） ・畳縁 NANEYA N-43 ・襖×5枚張替 景勝 №102 ・障子×2枚の張替 タフトップ
築年数	約24年
工事費用	約14万円

築年数約24年の和室をリフレッシュリフォーム。畳の交換とふすま・障子の張り替えを行いました。

畳はイ草1等級を使用。畳縁と襖紙をカタログよりI様に選択していただき、上品ですっきりとした和室に生まれ変わりました。

施工事例の詳細はこちら

施工内容	・水まわり設備交換（キッチン・浴室・トイレ） ・床、内装クロス張替え ・間取り変更 ・収納変更（押入→クローゼット） ・給湯器交換
工事期間	約2ヶ月
使用商材	・キッチン：TOTOミッテ ・浴室：TOTO WYシリーズ ・トイレ：TOTO GG ・フローリング：ノダ アートクチュール・ソン ・物入折戸：ノダ クローゼット アートクチュール
築年数	約15年
工事費用	約700万円

※本事例では和室リフォームを含めた室内大規模リノベーション工事を行っています。

お仕事の関係で、海外から帰国することになったY様。賃貸として貸していた部屋を、全面改修して居住したいとのご要望をいただきました。

和室の使用頻度が少ないことや部屋数は多く必要ないとのことから、使用頻度の少ない和室をリビングと一体化し、南側全面をリビングとしました。マンションの特性である眺望を最大限活かした空間となりました。

施工事例の詳細はこちら

施工内容	・カウンター造作工事 ・床張替工事 ・壁クロス張替工事
工事期間	7日
使用商材	・カウンター材：セブン工業 1200mm×600mm クリア塗装仕上げ ・床材：LIXIL ラシッサDフロア チーク色
築年数	約30年
工事費用	約70万円

使用頻度が低くなっていた和室を洋室に改修し、「テレワークスペース」としました。床材にはヴィンテージ感のあるチーク色のフローリングを採用。
ゆったりサイズの机（1200mm×600mm）には、机上に置く機器の配線コードを通す通線口も設けました。

施工事例の詳細はこちら

古くなった和室や使用頻度の低くなった和室は、リフォームで洋室に変更すると、用途の幅が広がります。また、和室のリフレッシュリフォームを行えば、おしゃれで上品な和室空間を楽しめるようになります。

ただし、ひとことに和室のリフォームといっても、さまざまな工事があり、費用も工事内容ごとに異なります。和室のリフォームをご検討の方は、まずは実績豊富なリフォーム会社に相談することから始めてみてはいかがでしょうか？

静岡県西部のリフォーム・リノベーションなら、信頼と実績で選ばれる遠鉄のリフォームへ。
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