窓のリフォームによって、住まいの断熱性を高め、エネルギー価格高騰への支援やCO2排出量削減を目的とした「先進的窓リノベ事業」。この事業では、所定の条件を満たした場合に、窓のリフォーム工事に対して、補助金の支給を実施しています。

そこで今回は「先進的窓リノベ事業」で補助金の対象となるための条件や補助金額、補助金申請の流れなどを詳しく解説します。窓のリフォームを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

「先進的窓リノベ事業」とは、所定の条件を満たした窓の断熱改修に対して、補助金を支給することで、住まいの断熱性向上を推進し、以下の3つの実現を目指す国の事業です。

・エネルギー価格高騰への対応（冷暖房費負担の軽減）
・2030年度の家庭部門からのCO2排出量約7割削減（※）
・ZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保への貢献
※2013年度比

「先進的窓リノベ事業」による補助金の対象者は、次の2点を満たす必要があります。

窓リノベ事業者と工事請負契約を締結し、窓のリフォーム工事をすること
窓のリフォーム工事をする住宅の所有者等であること

「窓リノベ事業者」とは、補助対象者に代わり交付申請の手続きを行い、補助金の交付を受け、交付された補助金を補助対象者に還元するものとして事務局に登録された工事施工者のことです。

「窓リノベ事業者」に登録されている事業者は、公式サイトから検索できます。

>>遠鉄のリフォームは「窓リノベ事業者」に登録されています。補助金のご相談は、こちらからお問い合わせください。

「先進的窓リノベ事業」による補助金の対象となる住宅は、既存住宅のみです。ここでいう「既存住宅」とは、建築から1年が経過した住宅、または過去に人が居住した住宅のことをいいます。

また、上記の条件を満たす既存住宅であれば、戸建てでも共同住宅（マンションなど）でも補助金の対象となります。

「先進的窓リノベ事業」では、以下の窓の断熱改修（リフォーム）で「補助額が5万円以上」である工事が補助金の対象となります。

・ガラス交換
・内窓設置
・外窓交換（カバー工法）
・外窓交換（はつり工法）

ただし、上記のリフォーム工事を行う際は、一定の性能を満たすことが確認された「対象製品」を用いることが条件になります。

また、以下のようなリフォーム工事は、補助金の対象にはなりません。

【補助金の対象外となる工事の例】
・ドアの一部や欄間に取り付けられたガラスの交換
・店舗兼住宅における住宅部分以外の窓・ガラスのリフォーム
・施主支給や材工分離による窓・ガラスのリフォーム
・中古品を使用した窓・ガラスのリフォーム

「先進的窓リノベ事業」の補助金上限は、1戸あたり最大200万円です。

「先進的窓リノベ事業」では、開口部（窓）ごとに行ったリフォーム工事の内容に応じた補助額の合計金額が交付申請額になります。

それぞれのリフォーム工事における補助額を見ていきましょう。

ガラス交換

窓の性能区分	ガラスのサイズ
	大（L） 1.4㎡以上	中（M） 0.8㎡以上1.4㎡未満	小（S） 0.1㎡以上0.8㎡未満	極小（X） 0.1㎡未満
P（SS） Uw1.1以下	48,000円	30,000円	8,000円	8,000円
S Uw1.5以下	32,000円	21,000円	5,000円	5,000円
A Uw1.9以下	26,000円	17,000円	4,000円	4,000円
B Uw2.3以下	0円	0円	0円	0円

 

内窓設置

窓の性能区分	内窓のサイズ
	大（L） 2.8㎡以上	中（M） 1.6㎡以上2.8㎡未満	小（S） 0.2㎡以上1.6㎡未満	極小（X） 0.2㎡未満
P（SS） Uw1.1以下	124,000円	84,000円	53,000円	53,000円
S Uw1.5以下	84,000円	57,000円	36,000円	36,000円
A Uw1.9以下	69,000円	47,000円	30,000円	30,000円
B Uw2.3以下	0円	0円	0円	0円

 

外窓交換（カバー工法）

戸建て住宅・低層集合住宅（3階建て以下の建物）

窓の性能区分	外窓のサイズ
	大（L） 2.8㎡以上	中（M） 1.6㎡以上2.8㎡未満	小（S） 0.2㎡以上1.6㎡未満	極小（X） 0.2㎡未満
P（SS） Uw1.1以下	183,000円	136,000円	91,000円	91,000円
S Uw1.5以下	124,000円	92,000円	62,000円	62,000円
A Uw1.9以下	102,000円	76,000円	51,000円	51,000円
B Uw2.3以下	0円	0円	0円	0円

 

中高層集合住宅（4階建て以上の建物）

窓の性能区分	外窓のサイズ
	大（L） 2.8㎡以上	中（M） 1.6㎡以上2.8㎡未満	小（S） 0.2㎡以上1.6㎡未満	極小（X） 0.2㎡未満
P（SS） Uw1.1以下	221,000円	151,000円	93,000円	93,000円
S Uw1.5以下	150,000円	102,000円	63,000円	63,000円
A Uw1.9以下	123,000円	84,000円	52,000円	52,000円
B Uw2.3以下	89,000円	61,000円	38,000円	38,000円

 

外窓交換（はつり工法）

戸建て住宅・低層集合住宅（3階建て以下の建物）

窓の性能区分	外窓のサイズ
	大（L） 2.8㎡以上	中（M） 1.6㎡以上2.8㎡未満	小（S） 0.2㎡以上1.6㎡未満	極小（X） 0.2㎡未満
P（SS） Uw1.1以下	183,000円	136,000円	91,000円	91,000円
S Uw1.5以下	124,000円	92,000円	62,000円	62,000円
A Uw1.9以下	102,000円	76,000円	51,000円	51,000円
B Uw2.3以下	0円	0円	0円	0円

 

中高層集合住宅（4階建て以上の建物）

窓の性能区分	外窓のサイズ
	大（L） 2.8㎡以上	中（M） 1.6㎡以上2.8㎡未満	小（S） 0.2㎡以上1.6㎡未満	極小（X） 0.2㎡未満
P（SS） Uw1.1以下	221,000円	151,000円	93,000円	93,000円
S Uw1.5以下	150,000円	102,000円	63,000円	63,000円
A Uw1.9以下	123,000円	84,000円	52,000円	52,000円
B Uw2.3以下	0円	0円	0円	0円

「先進的窓リノベ事業」の補助金申請は、複数回のリフォーム工事でも補助上限額の範囲内であれば、申請が可能です。

ただし、申請ごとに、補助金対象の要件を全て満たす必要があります。

「先進的窓リノベ事業」の補助金を申請するためには「工事請負契約日」と「着工日」が、それぞれ以下の期間に該当していることが条件になります。

・工事請負契約日：2022年11月8日～遅くとも2023年12月31日まで
・着工日：窓リノベ事業者における登録申請日以降

工事請負契約日の期日は、遅くとも2023年12月31日ですが、予算上限に達した場合は期日よりも早く締め切られる可能性があります。

「先進的窓リノベ事業」による補助金の申請は、登録事業者が行います。既存住宅の所有者（リフォーム工事の発注者）が自ら申請することはできません。

申請の流れは、以下のとおりです。

1．窓リフォーム工事の請負契約の締結
2．共同事業実施規約の締結
3．工事の着工
4．補助金の交付申請
5．交付決定
6．実績報告
7．補助金の交付・還元

補助金は、事務局から登録事業者に交付されます。
交付された補助金は、下記のいずれかの方法（原則は1）によって、既存住宅の所有者（リフォーム工事の発注者）に還元されます。

1．補助事業にかかわる契約代金に充当する方法
2．現金で支払う方法

※こどもエコすまい支援事業は、2023年9月28日に交付申請（予約含む）の受付を終了しました。

「先進的窓リノベ事業」と「こどもエコすまい支援事業」を併用することは可能です。ただし、1つの窓で2つの補助金を受給することはできません。

「こどもエコすまい支援事業」については、こちらの記事もご覧ください。
>>こどもエコすまい支援事業はリフォームでもOK！補助金の対象条件や補助金上限を解説

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